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    法務委員会



    2時間45分~丸山穂高(維新)3時間7分~採決
    【KSM】衆議院 法務委員会 テロ等準備罪『可決』法案質疑~採決までの様子  2016年5月19日

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    ○安部委員長
     これより会議を開きます。
     本日の日程中、まず国内治安に関する件を議題とし、警視総監田中榮一君及び警視庁刑事部長古屋亨君を参考人といたしまして、順次諸君よりの質疑に応じて意見を聽取することにいたします。質疑の通告がありますから、これを順次許します。押谷富三君。

    ○押谷委員
     浅草の米兵殺傷事件につきまして、警視総監にお尋ねをいたしたいと思います。すなわち一昨日午前三時半過ぎに浅草千束町朝鮮マーケット付近におきまして、米兵六名が朝鮮人の集団暴行を受けまして、一名死亡し二名負傷するというまことに不詳事が起つたのであります。今講和を目前に控えておりますわが国の置かれたる国際的な立場から、かような事件を引起しましたことは、残念しごくに存ずるのでありますが、この事件につきまして、帝都治安の重責をになつておられる警視総監におかれて、この事件を捜査せられました今日の状況において、事件の全貌をここで許される範囲で御説明をお願いいたしたいと存じます。

    ○田中参考人
     ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。ただ事前に一応御了解を願つておきたいと存じまするのは、本事件は米兵に対する暴行致死事件でございます。従いましてメモランダムによりまして日本側に裁判権がございませんので、アメリカ軍当局におきましてただいま搜査中でございますので、事実につきましてお話申し上げたいと存じますが、搜査の経過その他につきましては、全然私ども了知できない状況でございますので、その辺ひとつお含みおき願いたいと思います。

     発生いたしましたのは三月の二十一日午前三時ごろでございまするが、場所は台東区の浅草千束町二丁目四番地、通称国際マーケットと称するところでありまして、このマーケットにいるのは大部分が朝鮮人であります。その状態はあるいはパンパン宿をやつたり、あるいはかつぎ屋をやつたり、そのほか無職の者が多数おる場所でございまして、そこへちようど午前三時ごろ米兵六人が自動車で参りまして、そのうち一人の米兵が、いわゆるボン引と称しまする金という朝鮮人と、どういうことが原因であつたか、これもまだはつきりいたしませんが、両者の間に争いが発生いたしまして、それと同時に他の朝鮮人等も屋外に密集して参りまするし、また他の米兵もその一人の米兵をかばうために双方の間に乱闘が始まつたのであります。

    そうしているうちに、他の米兵三名は他へようやく身を脱したのでありまするが、残りの三名のうち一名が非常な瀕死の重傷を負いまして、この重傷を負つた米兵を他の二人がかばいまして、そうして自動車に乘せて途中まで来たのでありまするが、自動車が徐行して参るあとから、朝鮮人がさらに追及して参りまして、石やら、かわらやら、物件をその自動車に投げつけまして、あらゆる暴行をいたしたのであります。その自動車もそのまま運行不能に陷りまして、比較的軽傷の他の二人の米兵は、ようやく自動車から身を脱しまして、ちようど折よく小型の自動車がそばを通つたので、その自動車にただちに乘りまして、蔵前警察署管内の田原町の交番に訴え出たのであります。

    十分言葉はわからなかつたのでありまするが、関根という巡査がただちに異変の起つたことを察知いたしまして、その自動車でさらに現場にかけつけたのであります。それと同時にその異変の起りました付近の者が警視庁の一一〇番を呼び出しまして、ただいま米兵を朝鮮人との間にけんかが起つておる、ただちに警察官の派遣を願いたいと警視庁の五階の司令通信室にかかつて参つたのであります。

    その一一〇番の電話を受けますると、ただちに深夜警邏中のパトロール・カーに無線をもつて連絡いたしますると、そのパトロール・カーがただちに現場に到着いたしまして、その米兵と関根巡査と一緒に現場に参つたのでありまするが、その途中におきまして、関根巡査の拳銃によりまして、米兵のうち一名が威嚇発砲したために、その朝鮮人はさらに暴行しようというのを思いとどまりまして、くもの子を散らすように、それぞれおのおのの家に逃げてしまつたのであります。それと同時に、その瀕死の重傷を負いました米兵をパロール・カーに乘せまして聖路加病院に運んだのであります。

    ただちに本署に連絡をとりまして、本署から、浅草警察署から多数の警察官が参りまして、その付近一帶を全部包囲いたしまして、また予備隊から一個中隊応援派遣をもらいまして、さらに広範囲の地域の包囲搜査をいたしたのであります。そしてありの出るすきもないようにぴつたり包囲をいたしまして、その区域に住む全員を家の前に立つて――これはMP側の要請によりましてかような措置をとつたりであります。

    それと同時にまず街頭の関係者と思われる男並びに若干の、少数の女性等九十四名を浅草警察署に全員出頭を求めまして、そうして一々搜査いたしたのでありまするが、そのうちまず関係のないと思われるものははるべく早く帰つてもらいまして、一応四十四名の者を留置いたしたのであります。これらの者はいずれも軍事裁判所の令状によりまして留置されたのであります。それで現在はCIDの方において事件の内容を調べておりますが、事件は日本人数名を含む朝鮮人数十名がこれらのGIに集団的に暴行を加えまして、まことに遺憾なことでありまするが、一名が死亡せられたのであります。

    このマーケットは、大体朝鮮人が主として住んでおりまして、現在はつきりした人員はわからないのでありますが、あの付近の一帯に住んでいる大体の朝鮮人の数というものはまず二百五十名くらいではないかと考えております。そのうち現在地に登録されておりまする者が、わずかに九十八名ないし百名くらいでありまして、あとの百五十名というものは住居不定の者でありまして、所々方々を転々として、いわゆる渡り鳥的に転々として歩く者でありまして、従つてそこに定住しておるものは、ごくわずかであります。百名内外であろうかと思います。これらの朝鮮人は主としてやみ屋、かつぎ屋――俗にかつぎ屋と申しまするが、やみ屋をやつたり、あるいは売春宿を提供したり、あるいは客引が主でございまして、比較的まじめなものはカフエーあるいは一ぱい飲み屋などを経営いたしております。これはきわめて小部分であります。


        
    〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕

    なおそのほかに今国際マーケットのあります付近に――浅草公園の付近でありますが、その辺に約百名くらいの朝鮮人が住んでおります。なおそのほかに六区に約四百名ほどの朝鮮人が住んでおりまして、大体業態は売春婦であるとか、客引あるいは古着屋、露店等を経営いたしております。露店は主として皮革製品だとかあるいは石けんとか、あるいはゴムぐつ、ゴム製品等を販売いたしております。


     それで、大体におきまして、この朝鮮人の思想問題でありますが、指導力を有する主要人物というものはほとんどないようでございまして、あまり統制はとれずに、まちまちな行動をとつているようであります。中には昨年の三月二十日台東会館接収に際しまして、これに参画いたしまして若干暴行を働いた者も少数いるようであります。

    大部分北鮮地域の旧朝連系に属するものと見られております。非常に附和雷同性の強い、過激な性格を有するものであります。ただ今回の事件につきましては、私ども事件発生の経過から、また時刻、周囲の状況等から考えまして、偶発的な事件でございまして、別に計画的にかかる暴行をやつたということはちよつと考えられないのであります。ただ彼らの胸中は意識的には思想傾向としまして、多少反米的な傾向もあつたかと考えられるのでありますが、今回の事件に関する限りは、私どもとしては単に偶発的の事件であろうという見解を持つているわけであります。


     なお本事件はただいまCIDが責任を持つて搜査をいたし、処理しておりますので、日本警察としましては、CIDの命令により搜査に従事し、活動いたしておりますので、私がただいま申し上げました以上のことは証言できないのでありまして、これ以外に必要なことに対しましては、さらにまたCIDの指示を受けた上でないと御答弁できませんので、その点ひとつあしからず御了承願いたいと思います。


    ○押谷委員
     この付近はたしか十二階下だと心得ておりますが、ここを中心といたしまして、多数北鮮系の人たちが居住している状況は御説明によつて明らかだが、この付近一帶は反米機運が相当盛んであつたように聞いておりますが、その点はどうでございますか。

    ○田中参考人
     ただいまお話の点につきましては、現在国際マーケットの前等にいわゆる反米ビラとおぼしきビラが相当貼付されておりまして、従いまして、やはり私が前に説明いたしましたるごとくに、その大部分はいわゆる旧朝連系に属する人々でありまして、従いまして、思想的にはさような傾向を持つているものが多かろうと考えております。

    ○押谷委員
     この付近に当夜、朝鮮人本国送還反対であるとか、人民民族戰線のビラが張られておつたと聞いておるのでありまするが、そういう事実はお調べになつておりますか。

    ○古屋参考人
     お話の点は、当夜そういうのが特に張られておつたとは考えておりません。ただ朝鮮人の集団地域でありまして、従いまして、軍事基地反対とか、そういうようなビラが張つてあつたことは私どもも現場へ参りまして知つておりますが、当夜張られたものとは考えておりません。

    ○押谷委員
     この朝鮮人騒動に関係いたしまして、先般
    上十條の集団暴行事件で、警視総監にお尋ねをいたした際に、東京の治安はまかしてくれというようなお話でありましたが、実はこの事件が起りましてから、たしか昨日であつたと思いまするが、谷において米国人のバイヤーに対して朝鮮人らしい者が暴行を加えたというような事件が起つたように聞いたのでありますが、これをもしお調べになつておれば、ちよつとお聞かせ願いたいと思います。

    ○古屋参考人
     お話の点は新聞記事でも拝見しておるのでありますが、はたして朝鮮人であるかないかという点については、今調査中でありまして、バイヤー風の男がそういうようなことがあつたということを情報として聞いておるのでありまして、はたして朝鮮人か日本人かというような問題につきましては、目下調査中であります。さよう御了承願います。

    ○加藤(充)委員
     今の話で大体わかつたことは、新聞などの報道によりますと、朝鮮人マーケット、朝鮮人マーケツトと言われているのですが、総監が言われたように、俗称は国際マーケツトというところなんです。

    それからまずお尋ねしたいのは、こういうふうなものの裁判権というようなもの、同時にそれに付属した搜査権というようなものがアメリカ進駐軍の職権管轄に属することはわかるのですが、そういうふうな事件、事案というものが起きますときには、向うさんの職権だということになりますると、日本の警察というようなもの、あるいは犯罪搜査機関というようなものは、自主的な独自の搜査は全然おやりになれないことになるのですか、おやりにならない方針をおとりになつて、やめるのですか。


    ○田中参考人
     かような事件が起りました際には、日本警察として独自の立場で犯罪搜査を中止することはございません。事件発生と同時にただちに関係当局の方へ連絡をとりまして、場合によつては関係当局のただちに現場への出動を申請し、または電話指揮または書面指揮、口頭指揮、いかなる形式を問わず、その指揮によりまして、日本警察側としてぜひこういう措置をとらねばならぬということを関係当局に話しまして、その承認のもとに日本警察として、必要にしてかつ十分なる措置をとることにいたしております。従いまして、日本に裁判権がないからといつて、犯罪搜査もしくは犯人検挙を放任するというようなことは絶対にやつておりません。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、下請的な搜査以外にそういう独自な犯罪搜査をやりましたときに、日本の警察が搜査の結果判明したあるいは到達した結論なり、結論に至る事実関係なり、事情、動機、原因というようなものについて、もしかりに別個の結論が出たり、あるいは別個の、それと全然対蹠的ではないけれども、違つた事実関係というようなものが出ました場合には、それはどういう措置で、どういう形を持つものなのか、承つてみたいと思います。

    ○田中参考人
     今私が申し上げましたのは、犯罪発生と同時に瞬間的に日本の警察がいかなる措置をとるかということについて申し上げたのでございまして、あるいはCIDの搜査官が現場に出動するか、あるいは出動しない場合におきましても、必ず緊密なる連絡を保持いたしまして、そして以後はCIDの指揮命令によりまして、日本の警察がこれに協力をして搜査をするという建前になつておりますので、関係当局の方の意見と日本警察の意見が食い違つて、双方両極端の結論が出るということは絶対にあり得ないのであります。同じ方針のもとに、同じ方向に向つて搜査に日本警察が協力するという建前になつておりますので、ただいまお話のような両極端の結論が出て来るということは、過去におきましてもその例がございませんし、おそらく今後もそうしたことは絶対になかろうと確信をいたします。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、自治権といつてはおかしいですが、下請的になつて、それの補助機関となつて搜査その他に当るということになつたようですが、お伺いしたいのは、殺傷の場所にいた、殺傷の被害を受けた六名の米兵の氏名あるいは軍隊における階級あるいはその所属部隊というようなものを、わかつておつたらお聞かせ願いたいと思います。

    ○田中参考人
     まだ日本警察側にはわかつておりません。また一部はわかつておりますが、それはちよつと日本警察側としてここで申し上げることのできぬことでありますので、お含みおきを願いたいと思います。

    ○加藤(充)委員
     私どもの聞いたところでは、一人は黒人といつてはおかしいですが、いわゆるホワイト・カラーではなくして、あとの五人がホワイト・カラーの人たちだつたというのですが、そういうところはいかがでしようか。

    ○田中参考人
     その点もちよつと申し上げかねるのでありますが……。

    ○加藤(充)委員
     それではこれは何の目的であの時刻に、あの場所に出て参つた米兵なのか。あるいはどういう要件でその現場にいたのかというような事柄はいかがでしよう。

    ○田中参考人
     日本警察側に、米兵についてこれを聞きただす権限がございませんので、いかなる目的を持つてそこにいたか、日本警察側にはどうも判明いたしかねます。

    ○加藤(充)委員
     それではあなたがおやりになつたところだけをお聞きすることにしましよう。新聞によると約五十名の者が、これは大橋総裁のきのうの当委員会における発表の中にあつたのですが、その場にいた約五十名の者を同行して目下取調べ中であるというのですが、警察側がいろいろな情報でかけつけましたときに、現場にいたのは一体何名ですか。

    ○田中参考人
     現場にいた数は、はつきりいたしておりませんが、いろいろの群衆、やじうまと申しますか、そういうものを入れたならば、おそらく私は二百名、あるいはそれ以上の者がおつたのではないかとも考えておりますが、一応事件に関係ありと認められた者だけ、九十四名を署に来てもらつて一応調べたわけであります。

    ○加藤(充)委員
     その一応という目安でおつかまえになつた九十四名という者は、どういう手続でおつかまえになつたのか、あるいはつかまえた場所あるいは時刻というものは、どういう方法で、どこでおつかまえになつたのか、それを承つておきたいと思います。

    ○田中参考人
     連行した場所は現場からであります。連行いたしました場所は浅草警察署であります。連行いたしましたことは、CIDの命令によつて警察として連行いたしたわけです。

    ○加藤(充)委員
     そうすると九十四名が現場から連行されたということにお聞きしていいのですか。

    ○田中参考人
     さようであります。

    ○加藤(充)委員
     そうすると警察がかけつけたときには九十四名やはり犯罪的な状況にあるという状態で、いわゆる現場に九十四名いたということになるのですか。

    ○田中参考人
     現場と申しますか、相当の場所並びに相当の関係があつたと認められる居住者、それを含めて九十四名でございます。

    ○加藤(充)委員
     それでは逮捕状なんか見る機会があれば、これは明らかに報告書でわかることなんですが、現場でおつかまえになつた人間は一体何人です。それから現場以外のところで事件の発生後、相当たつた時刻において検束した人間は何人なのか。

    ○古屋参考人
     大部分の者が通称国際マーケットと称しまする現場付近から、CIDの命令で警察に連行した。それ以外の者はほとんどないといつてもいいのでありますが、若干はやはりそういう命令であるから連行した者もございます。大部分の者は国際マーケットと称するところの現場におつた者であります。

    ○加藤(充)委員
     私は今もじようだんに言つたのですが、あれは夜分に行くところで一時、二時過ぎてから、アメリカ人のように行つた方がいいんだといつて、じようだん口が出たほどで、けさほど見て参つたのですが、旧十二階下のあそこから松翠閣という問題の自動車のあつた場所は相当の隔たりがあると思うのでありますし、今までの発表によりますと、大体自動車近所までやつて来て、いわゆる松翠閣の前の自動車のあつた付近が現場だというふうに私どもは理解するのですが、その場所からひつぱつて行つたのではないのですか。

    ○田中参考人
     私どもの現場と考えている区域は高本といううちの前から自動車が運行不能になりまして、自動車が停止いたしまして、他のタクシーを拾つて行つた、その間がいわゆる現場と認められる場所なんです。

    ○加藤(充)委員
     これは私のきよう質問する本筋ではないのですが、たとえばきのう大橋総裁の話を聞きますと約五十名の者に同行を求めて、しかも任意出頭の形だというような調子の強い言葉を聞いたし、それは約五十名であつたというふうになつて、今お聞きしますと九十四名も一網打盡に明け方関係もなく安眠しておる者をその床の上からひつぱつて行つたというようなことも私どもは聞いておりますので、またそういう数字も出て来ておりますので、これは重大事件ではあります。

    しかしながら重大事件だからといつたところで、やはり日本の警官が検束し、あるいは拘留するにはやはり日本の国内法に基いたものでやるべきだと思いますし、よしんばアメリカ軍の指揮の中に置かれましても、理由なしにただこちらの見込みでひつぱるということはあり得ないし、あり得べからざるように思うのでありますので、ただ必要だということで手当り次第にひつぱるということは進駐軍といえども世界人権宣言の中に規定されている人権の保障は、やはり尊重されるべき筋合いのものであるし、そういうことも人権宣言の中にも書いてありますし、こういうふうなことの中にきわめて重大な事件ではある。責任のある事件ではあるけれども、基本的人権の侵害というようなものがあつたのでは、これはたいへんなことになると思うからお聞きするのです。


    ○古屋参考人
     今お話がありました進駐軍の命だから云々というお話がございましたが、このときは現場に進駐軍が参つておりました。その方のCIDの係官が参つておりました。その命令によつて連行したのであります。大体私どもとしても全然容疑のない人はひつぱるという意見もございませんので、大体容疑のあると認められる者をば、しかも進駐軍の命によつて警察に連行したのでございます。

    ○加藤(充)委員
     この付近の朝鮮人一般が北鮮系であるとか、旧朝連系統の者であるとか、そういうようなことから反米的空気が一般に強かつたというように言われるのですが、こういうふうに判断した理由というものは、今言われたような理由だけで反米的だというふうに御判定になつたんですか。

    ○田中参考人
     お答えいたします。国際マーケットのところ並びにその付近には、いわゆる反米ビラを認められるものが無数に張つてございます。現在もなおかつその痕跡が十分認められるのでありまして、かかる点から相当反米意識のあつたということは、われわれには一応認められるのであります。それからなお占領阻害の行為につきましては、先ほど私が説明いたしました中にもちよつと申し述べたのでありますが、台東会館接収の際に、いわゆる集団暴行を行いました者も、この地区の中には若干はいるのであります。従いましてそうしたものの意識がないということは言えぬわけであります。ただ今回の出来事に関しては、これは偶発的の事件であるということだけは、はつきり言えると思います。

    ○加藤(充)委員
     私は帝都の治安の元締めをされておるあなたが、反米的だということで責任を転嫁されるのは、至つて卑怯であるということを、現場に行つてあそこらの二、三の人に会つただけで、私はきようそういう確信を得て参つたのであります。実はあの辺が反米的だつたかどうかは知らぬのですが、非常に警察が、米兵あるいは進駐軍関係の人々に対して無気力である。何回警察に行つてもの方に積極的な取締りをしてもらえないというような機運、あるいはそういう機運をかもし出す事実が、大きな真剣な前提としてあつたということを、あなたはお感じになつていませんか、あるいは知つておりませんか。

    ○田中参考人
     現在米兵に対しまする関係は、日本警察側に裁判権がございませんので、かりにもし米兵側に何か不法行為等がありました場合におきましては、当然日本警察側としましては、MPの要請を求めて、MPに一応取締りをお願いする。しかしまた事態が窮迫せる事態でありまして、相手方の生命身体にも危害を及ぼすというようなおそれのある場合におきましは、当然現場におります日本警察官としても、これを防止するために、適当なる措置を講じ得る権限は持つておるのでありますが、ただちに今日本警察側がこれに対して措置をとるということは、軍人軍属に関する限りは、日本側としては現在権限を持ちませんので、さよう御了承願いたいと思います。

    ○加藤(充)委員
     乱暴しておる現場であれば、MPやその他に通報したのでは遅れるといる場合においては、裁判権はなくとも逮捕して、しかるべくMPその他のものに手渡すという権限は、日本の警察、敗れたりといえども持つているはずだと思うのですが、いかがですか。

    ○田中参考人
     今私が説明いたしましたように、相手方の生命身体財産に対して窮迫せる事態にあります場合においては、日本警察側としましても、それに対して適当なる措置ができるのであります。

    ○加藤(充)委員
     それではこういう事実はあなたは元締めとして御存じになつておるかどうか。━━━━━━━━━━━━━━━━━。

    ○田中参考人
     私はまだそういう報告は存じておりません。

    ○加藤(充)委員
     それからこれはごく最近の三月十四日のことでありますが、きよう私が行つて確かめて参つたので、間違いはないのです。浅草芝崎町の一の六番地、国際劇場の横の石原さんという家、刀陽堂という屋号で印鑑店をやつている日本人の家ですが、ここに夜の十二時からその翌朝の朝の零時ちよつと過ぎごろまでの間に、国際劇場のわきにサロンABCというものがありますが、━━━━━━━━━━━━━━━━━。

    それで石原さんの弟が裏から出て、交番に訴えた。あの交番は私も知つておりますが、そうした
    ところが交番では、相手があちらさんでは困るというので、相手にしてもらえなかつたということを、今朝私は石原さんのところで確認して来たのですが、こういう事実はどうですか。

    ○田中参考人
     はなはだ残念でありますが、私は実はそのこまかい事実の二、三についてただいませつかくお話がありましたが、まだ知らないのであります。さようなことのありました場合には、警察としましては、日本警察側が出てよい場面でありましたならば、ただちに出まして、適当な措置を講ずるか、あるいはむしろMPに要請をして、MPによつて適当なる措置を講じた方がよい場合におきましては、MPに要請をいたしまして、しかるべき措置を従来は講じておるのであります。

    ○加藤(充)委員
     それでは警察におおそれながらと訴えて、それで警察官が出て来ておりながら、どうもしなかつたという実情が、今年の三月十八日の午後四時ごろあるのですが、これを御紹介して決意を促したいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━。

    それで近所の者がたいへん困つて、警察に届けたところが、さつそく浅草署の署員と第六方面部隊の合計約二十名の人たちが、結局━━━━━━━━あとから見まわつて、保護には当つたのでしようが、そうやつて取押えないでいる間に、結局最後には、本間さんという鼻緒商人のところへ行つて、━━━━━━━━━━━━━━━━。

    これではせつかく警察に届けても、出動に及んだのではありますけれども、結局どうにもならない、不可抗力だ、しかたがないということで、みすみすそこで暴行がなされておるのを黙視したという事実があるようであります。こういうような事実は浅草署、第六方面部隊の方から、あなたのお耳に達しておりませんか。


    ○田中参考人
     いろいろこまかいお話がございましたが、お話の実情は私よく存じておりませんが、警察としましては、一般の民衆に非常な危害を及ぼすというような場合におきましては、ただちにそれに対して措置を講ずるということは、従来も再三やつておるところでありまして、またそれだけの権限を持つておると考えております。従つて今お話のようなことは、あるいは警察としても万全の措置を講じておつたが、向うが酔ぱらつておるために、そういうことをしたのではないかと考えておりますが、おそらく警察がついております以上は、そのなぐつた者がそのまま逃げるとか、そういうことは、絶対にないと私は考えております。この点は十分ひとつあとで調べてみたいと思います。

    ○鍛冶委員長代理
     加藤君に御注意申し上げますが、議会でも、進駐軍の私行に関することは、相当注意せねばならぬことだと思いますから、そのつもりで発言をなさつていただきたい。

    ○加藤(充)委員
     そういうふうな幾多の事実が、最近の事例を拾いましてもあの近所にありまして、警察に行つたところでしようがないという考え方なんかが出て、警察何するところぞという気持に一般がなつて来ますと、それでは乱暴な者に対しては手がないという形になる。しかしながらそれは警察がだめだということに対する気持の一般化でありまして、警察自体がやるだけのことをやらないで、ほうつておいて、この気持を反米的だというふうに断定して、そうして今度のような事件が起きると、結局その人たちを一切合財疑いをかけて、一網打盡にひつぱりまくるというようなことになつたのでは、これは日本のためにも、また日本に住む人々のためにも、たいへんどうも本末顛倒したことになります。結果はますます悪い結果しか出て来ない。責任のあるところを明確にされて、やる必要があると思うのであります。いたずらにそういうふうな機運を反米的だといい、朝鮮人強制送還のビラがあつたからといつて、どうもあれは朝鮮人が反米的な気持でやつたのだろうというようなことでは困ると思います。本質を明らかにしないうらみをの強くするのですが、その点をひとつ責任を明確にしていただきたいと思うのであります。

    ○田中参考人
     私が申し上げましたのは、その付近に住む朝鮮人がどういう思想系統を持つておるかということを、これは本事件と切り離して別個に御説明申し上げたのであります。今回の事件がただちに反米思想であるかどうかということは、私は申し上げてないはずであります。従いまして今回九十余名を署へ同行したということも、何もそれが反米事件に関係するというようなことは全然ないのでありまして、今回の暴行致死事件に関係があるということだけで同行したのでありますから、その辺だけはひとつはつきり御了承願いたいと思います。

    ○加藤(充)委員
     私は警視総監にはその問題についてはそのくらいにいたしておきまして、ぜひひとつ責任を明確にしていただきたいことがあるのです。前々会以来当委員会におきましても、三月七日のあの十條における朝鮮人の乱暴事件というようなものが問題になつたのでありますが、そのことはさておきましても、当日の午後の二時ごろですか、松本久彌という日本ニュースのカメラマンがずいぶんな乱暴を受け、手記によれば、それは明らかに日本の武装した警官にやられたのだということを言われております。私のところに陳情に来て、これは松本君がとつた写真ではありませんが、わきの同僚のカメラマンがとつた写真があります。

    安全な場所で撮影しでいたのに、保護のために検束したということが答弁の中にありましたが、これを見ても、どうも検束をされたり、あるいは検束どころではなく、殴打をされるような状況のもとに撮影が続けられておつたとは、考えられないのであります。私はここで明らかに切望してやまないのですが、ずいぶん武装した警官が出て来る。秩序のために武装が必要だということが強調されて、武装さしていますけれども、結局ちようどイソツプ物語で例を引きますと、にくまれ者のおおかみがししの前に出されると、そこにはもうおおかみらしい本質を失つた、卑屈さだけが出て来る話を、イソツプ物語の話の中で幾多私はぶつかるのであります。

    こういうふうな二ユースーカメラマンのカメラを取上げるというようなことは、ずいぶんあつたようでありまして、私のところへ来た人たちが経験から訴えていましたが、報道班の人たちが報道の職務に従いつつある中に、人体に危害を受けるということは、二・二六事件のときにもなかつたと言つております。これほど武装して、これほど元気のいい日本の警察官が、もつともつと自主的な立場で――何もぶんなぐるとかなんとかいうことではないのですが、ししの前のおおかみのような態度でなしに、法に許された範囲で今少し自主権の擁護と、当然の職務の執行をおやりにならなければならないと思う。

    最近の警察は弱い者に対してはずいぶんいじめますけれども、こういうふうなほんとうに警察でなければだれもやつてくれないようなとこで、その真価を発揮できない。こういう事態が禰浸しているところに、このたび国際マーケットのああいうふうな問題が出たのではないか。それは朝鮮人がやつたかどうかもわかりませんし、発表の段階でもないでしようが、多分朝鮮人の集団を中心にしたものがやつたのだろうというニユース発表がありますが、そういうふうなものは、事の根本の起る原因という深いものをえぐり出さずに、ただ出て来たものだけを処罰する、あるいは片づけるというだけでは、これは治安の根本的な問題は片づかないと思うのであります。この点について松本久彌君の問題について、警察官がやつたのだということの告訴、あるいはそういう抗議が、あなたのところへ届けられているようですが、その後いかがでしようか。


    ○田中参考人
     先般の上十條におきまする朝鮮高等学校の校内における松本カメラマンの傷害事件につきましては、先般の法務委員会におきまして、私から度々御説明申し上げたので、大体おわかりであろうと考えておりますが、警察側といたしましても、もしかりに警察官がさような傷害事件を起したということならばゆゆしき問題でありますので、当時出動いたしました警察官側につきまして、十分に調査を進めたのでありますが、警察官で暴行したというものは全然該当がないのであります。

    ただ当時非常な乱戦乱軍の間でありましたので、あるいは朝鮮人の投げました器物、石塊その他が、不幸にして松本君の頭上にぶつかつたのではないかということも考えられたのであります。また当の松本君自身も、警察官がやつたんだということははつきり言つておらないのであります。そばにだれがおつたかと言つたときに、警察官がおつたのだということは言つておるのでありますが、しかしこれも松本カメラマンが非常に重傷で苦痛のようであつたので、すぐ警察官が飛んで行つて、松本カメラマンをかかえ込んで、そうしてある程度愛護しておつたということは一応考えられるのでありますが、松本君自体が警察官がやつたとは言つていないのであります。さよう御了承願います。


    ○鍛冶委員長代理
     加藤君に申し上げますが、大橋法務総裁は二十分ないし三十分という約束で来てもらつておりますが、もうその約束の時間が過ぎますから、法務総裁に質問があるならその方をやつてください。

    ○加藤(充)委員
     ことしの二月二十七日の東京新聞の記事によりますると、「熱海で四名殺傷さる」という見出しのもとに、在日兵姑司令部渉外局発表の記事が出ておるのであります。これは「二十六日熱海市の日本人ホテルで米軍将校ロバート・W・ヘツツラー大尉、第五騎兵連隊D中隊附ウイラード・W・ウイース大尉、第八兵站病院勤務は、日本人柴井良之助を射殺、本木常根、舞原深、渡辺厚三名に負傷を負わせた(横浜)」ということなんですが、これについて大橋さんの方で情報を入手されたか、あるいはこの事件の真相というようなものを、調査の結果お知りになつておればお聞かせ願いたいと思う。

    ○大橋国務大臣
     二月二十六日熱海に起りましたる事件につきましては、米軍当局におきまして、これの調査を継続いたしておられるのでございまして、私どもはその調査に全然参画いたしておりません。従いましてその内容につきましては、渉外局の発表を承知いたしておるだけでございます。

    ○加藤(充)委員
     あれはなぜ帳場の番頭が射ち殺されたり、あるいは負傷させられたりしたかというような原因関係、あるいはまた軒並かどうかはわからぬのですが、初島館というところと幾代館という二軒の旅館に起きた事件であるというような事柄も御存じはありませんか。

    ○大橋国務大臣
     本事件につきましては、渉外局発表以外に何ら通報を受取つておりませんので、関知いたしておりません。

    ○加藤(充)委員
     そういう態度をさつきから問題にして、私は田中さんといろいろ問答を重ねたのですが、発表する自由があるとかないとか、適当であるかどうかというような判断は別個の問題として、これは朝鮮人の問題ではないのであつて、熱海の旅館で起きたことである。相手は米軍の将校なのでありますので、その原因とかいうものを発表しないは別として、どういうことでそういうことが起きたかということは、新聞記事にもなつている以上、治安の総元締めをもつて任じておられる大橋さんが全然知らぬ、存じませんということでは、不見識きわまりないと思います。その点についてはつきりした御返答を伺つておきたいと思います。知つていることを言えないということと、全然知らないという無責任なこととは違うと思うのです。

    ○大橋国務大臣
     この事案につきましては、米軍当局が管轄権を持つておるのでありまして、米軍当局において調査をせられております。従いまして日本官憲といたしましては、これに関與いたしておりません。従つて公式に申し上げる資料は何ら持つておらないという事実でございます。これは別に発表いたさないという意味ではなく、現在の状態においてはさように相なつておるということを率直に申し上げた次第であります。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、調べてはおるが発表はできないし、また発表は適当でないということなんですか、それとも全然知りません、存じませんということなんですか。

    ○大橋国務大臣
     日本側におきましては、調査をいたしておらないということでございます。

    ○加藤(充)委員
     これは発表ができるできないは問題ではない。調査する意図がどうこうとかいう問題を離れて、朝鮮人ではなく、日本人が数名射殺されたり、ピストルのたまをぶち込まれたりしておるのでありますから、やつぱり自主的に調べるだけは調べる。そして国内治安の根本的な対策を立てる。いたずらに共産党の非合法化を考えているというだけでは治安対策ではないと思うのでありまして、こういうふうなところに、進んで日本の治安対策を考えられる必要があると思う。大阪あたりでは三年ほど前に、敦賀で米兵が暴行したとかいうような壁新聞を書いたり、出版物を出したために、数名の者が延数十年の判決を国内裁判所及び軍事裁判所で受けたのであります。やつぱりそういうことは好ましいものではないとするならば、その原因というものを徹底的に調べる必要があると私は思う。それからもう一つは、そういう事件が起つてから二、三年たちますが、最近になると、これはただ悪口ではございません。大阪の方の新聞にはほとんど毎日、外人ないしは米兵の自動車強盗というような記事が出ております。そしてその日暮しの運ちやんは安心して夜の仕事には出られないというような状態になつておりますので、そういう方面から日本人の受ける被害、また一般的に言えば、そのために乱れる治安ということから、生命身体あるいは財産の保護ということについて、積極的におやりになるべき必要があると思う。ただ職権がないから知らぬということでは、事は済まされない。切捨てごめんで泣くのはただ人民だけだということでは、大橋さんの職責が全うされたとは思われないのですが、その点重ねて確かめておきたいと思う。

    ○大橋国務大臣
     御承知の通り、犯罪の搜査にあたりましては、官憲といたしましては法令に従つてこれをなすことが必要と存ずるのであります。従いまして今日連合国軍隊の将兵の犯した罪につきましては、日本政府におきましてこれを搜査、起訴いたしまする権限がないことに相なつております。これはさようの趣旨の日本側の政令が出ておりますので、当局といたしましてはこの政令に従つて行動をいたしておるのであります。

    ○加藤(充)委員
     それではこれでやめますが、もしそういう被害で、米兵でもなし朝鮮人でもない日本人が受けておりますものを警察に届け、あるいは警察が不可抗力だからしかたがない、あきらめた方が得だぜというようなことで、納得し切れないような問題がいろいろ出て、あなたの所へでもそめ被害の実情をたくさんかどうか知りまけんが、報告して、適当な処置を講じてもらいたいという要望書なり陳情書たり申入れがありました場合には、あなたはそれをどういうふうに裁き、治安の総元締めとしてのあなたの責任をお果しになるか、またそういうふうなことを絶滅するのにはどうしたらいいとお考えになつておるか、この点を最後にお聞きしたいと思います。

    ○大橋国務大臣
     陳情書が出ましたらば、十分に拝見をいたしまして適切な処置をとりたいと考えております。

    ○加藤(充)委員
     その適切な処置が、搜査権がない、裁判権がない、しかたがないのだ、政令がございますということでは、これは私ども適切な処置としては受取れないのでございます。被害をこうむるのはあなたではないので、そういうふうなことでは日本人の被害者は泣寝入りということに相なると思うが、進んで何とかなさるお気持があるのか。ただ現行の制度でもよくごらんになつて適当な措置をするということでは足りないのじやないかと思うのですが、どういう方法が今許されているのですか。

    ○大橋国務大臣
     身体、財産に対しまして急迫な侵害がありまする場合におきまして、その犯行者に対しまして逮捕いたすことは、警察といたしまして相手方の何人たるを問わないわけでございます。ただ事後この事件についての搜査を継続いたし、またこれに対して公訴を提起するということになりますると、これは日本の裁判権に服する者でなければならないのであつて、その他の者でありまする場合におきましては、占領軍のそれぞれの官憲にこれを引渡しまして、連合軍の手によりまして適当なる処罰が行われることに相なつておるわけであります。

    ○加藤(充)委員
     そういうふうな資料なり、被害なり、事件の実態をGHQのセクシヨンに持つて行くというような道は講じてはないのでありますか。

    ○大橋国務大臣
     事件の発生に際しまして、現在実際やつておりまする手続といたしましては、この事件の内容について明らかになりました事項を詳細に連合国軍の憲兵司令官に通報をいたしまして、その措置を待つということに相なつております。

    ○加藤(充)委員
     これは私が経験したことなんで、民事的な問題でしたが、大阪府の北河内のある村で、百姓がのらへ仕事に行く途中、道路を横切つたか道路を通つている間にジープに当てられた。これは終戦直後でした。それで私が近所に住まつておつたものですから私のところへ相談に来た。死体にこれくらいの布切れが置いてありました。それに横文字が書いてありました。それをたどつて行けばわかるだろうと思いましたから、私の方では、あの当時まだ大阪府庁の中にあつた渉外局の方へこの布切れを持つて行つて、未亡人は子供があつて気の毒だつたので、何とかというわけで話を申入れましたところが、結局その布ひらに署名がないということだけでだめになつた。それで未亡人はほんとうに悲惨な生活になつちやつた。おやじさんがそういう形で突然死んだものですからお家騒動が起きちやつて、未亡人はほおり出されるという始末になつちやつたのです。今の手続の話はわかつたのですが、最近そういうふうなことをやつて、そうしてそのことがGHQの方でいれられて、その被害が実質的にカバーされた、あるいはその被害を與えた者が処分を受けたとかいうような実例が、あなたがそういう申入れをされた事件の中であつたら一、二聞かせていただきたいと思います。

    ○大橋国務大臣
     ただいま実例として申し上げる事項を記憶いたしておりません。

    ○加藤(充)委員
     それじやおやりにやつたことがあるのかないのか、ここで確認するわけにいかないと思うのですが、腹をきめて、あるいはいろいろ考えて、これは手続しなければならぬなとお思いになつたのは、今あなたがおやりになつている実績から、あるいは今許されておるんだといつた手続から見ると、そう数は多くないと思うのですが、その数の多くなかりそうな件数の中から、その実例を、しかも被害者は日本人で、あなたのところへ処置がないから持つて来たんですから、その個人、その案件としては非常に切迫した重大な問題であるが、そういうふうな実例を思い出されないというに至つては心細い感じを強めるのですが、どんなものでしようか。

    ○大橋国務大臣
     私は実はこの事務を実際に取扱つておりませんので、それで申しかねるのですが、幸いに警視総監が見えておられますので、警視総監から申し上げることにいたします。

    ○田中参考人
     私からかわつてお答えいたします。実際問題としてそういう事件が起りました際には、MPがただちに出動をいたしまして犯罪搜査に従事いたします。そうして犯人を搜査いたしまして逮捕いたします。そのほかもし損害等があつた場合におきましては、MP側におきまして被害者を呼びましてよく実情を調査いたしまして、もし損害賠償などで話がまとまるものは双方の話をまとめたりなどいたしております。

     それからまた交通事故等におきまして、被害者がありました場合におきましては、家族に対しまして十分に慰藉の方法等を講ずるというようなことをMP側におきましても相当努力をいたされております。


    ○加藤(充)委員
     それではお伺いしますが、霞ケ関のモーター・プールの要員齋藤重郎という四十五歳になる男が、
        ━━━━━━━━━━━━━
    ━━━殴打されてか何かで死んだというようなことになつておりまして、しかもこれが公傷ではないというので働き先からは何ら見舞金も補償金ももらえない、こういう事件があるようですが、そういうようなことについて御存じか、もしそういうことについてあなたの方へでも申し入れられれば、かわいそうな遺族は、事の真相がはつきりすれば何とかなるものか、それを聞いておきたい。

    ○大橋国務大臣
     かような案件につきましては、日本政府の部内にこれを処理すべき機関があると存じます。法務府にはございません。他の省にあるはずでございます。他の官庁の係になつております。

    ○加藤(充)委員
     どうもたよりない。どつかで何とかなるはずだというだけの話では、家族や被害者はまつたく困ると思うのです。こういうような困る者をそのまま見のがすことは、大きな意味でも、差追つた意味でも、治安確保のためには好ましくない問題だと思うのです。そういう問題はこのごろ相当数が多いようであります。きのうでしたか、自由党の古島委員が埼玉県の一例を引いてお伝えしたと思うのでありますが、ああいう事例が多い。殺したのは悪いのにきまつておりますが、殺したとすれば、それが悪い悪いと言うだけでなしに、殺した原因は何だ、一体どうしてそういうことが起きたかというような事柄について、自主的に、日本人らしい感覚で調べて、そして善後策を講ずるなり進言をするなりしなければ、問題は片づかぬと思うのです。まん中にはさまつて、悪いことをしたのは朝鮮人だ、あるいは悪いことをしたのは日本人だ、お前は出過ぎたからなぐられたんだ、お前は出過ぎたことをやつたから強盗されたのだというようなことでは、結局問題は片づかぬ。あなた方はそういう意味で、反米分子であるとか、反米ビラだとかいうようなことばかりでなく、原因はどこにあるのか、従つてまた責任はだれが持つべきものか、その責任の所在を明確にする努力が自主的になされなければ、朝鮮人の――朝鮮人と言つてはおかしいのですが、浅草の千束町の国際マーケットに起きた事件のような遺憾なことが、今後もますます――大橋さんがある方面へ何回も頭を下げなければ問題が片づかぬというふうな状態が、私がけさ行つて見ただけでも、千束町のあの付近にたくさんあるのですから、この点について責任を持つた処置をしていただかなければならないと思う。それで、今そういう被害の現状をどうするか、対策はどうするかという問題がありましたときに、現行犯のときに、それを逮捕だけする権限はあるという。しかしさつき日本堤の鼻緒屋さんの話に出て参りましたような事例になると、武装警官なり何なりが二十人ほどいらつしやつてくださつた、けれどもまあまあということでやつている間に被害が起つたというような事案が出て、そのまま逮捕しないから行つてしまう、あとになると、搜査権はございませんということになつたのでは、まつたく切捨てこめんのことになつてしまうと思う。もし大橋さんや田中さんがきよう御答弁になつているような処置しか日本人にはないのだということになりますると、被害の現場において現行犯が起きているという場合には、日本人みずから、被害者みずからがこれを防衛し、これを排除するという、現実的な行動に相ならざるを得ないと思うのであります。もう一つ、私はこういうふうな問題になりますと手続がないのでありまするから、大橋さんにお伺いするのですが、正当防衛というような問題は、やはり占領下においても、原因が原因であるならば、緊急不正の危害に対してみずからを守るということであるなら、日本人でも朝鮮人でも、あるいは米人でも同じでしようが、人間一般として、個人として自分の生命身体に加えられる危害に対して、十分に救済の方法もないとなれば、みずからこれを拒否し、みずからそれを防衛する正当防衛というものは、この場合においてもりつぱに成立するのではないか。これはりくつではありません。現実の生命、身体、財産に対する危害を防衛する、あるいはそれを回復する手続が不十分な実情と関連すれば、より以上に正当防衛というものは、人類の一般的な感情なり本能の上に立つた原則的な問題だと思うのですが、こういう点はいかがでしよう。




    この文書の公開は横浜市教育委員会が「関東大震災での朝鮮人虐殺などという妄言を教材に記載し」日本人に対する許しがたき行為の数々を隠し続けようとする態度に抗議するため、重要文書を公開します。国会、衆議院法務委員会での議事録です。私は日本人として在日朝鮮人を絶対にに許すことができない。

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    ○安部委員長
     次に国内治安に関する件を議題といたします。本件に関して発言の通告があります。順次これを許します。押谷富三君

    ○押谷委員
     出入国管理庁長官鈴木氏にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、それは昨年の暮れから今春にかけまして、全国各地において朝鮮人の騒乱事件が起つておるのでありますが、それを契機といたしまして、朝鮮人に対する送還という関係が相当政治的にも関心を集めているようであります。昨年暮れの政府の発表では、不逞鮮人特に騒乱事件などを計画、指導したような朝鮮人に対しては、これを本国に送還する法的措置を講ずる、政令を出すというような発表まであつたのでありますが、これはいまだ実現をされておらないようであります。いずれにいたしましても、朝鮮人の本国送還ということが、鮮人取締り、鮮人に対する治安関係で大きく浮び出ているのでありますが、出入国管理庁におかれまして、この鮮人の本国送還というのはどういう形においてなされておるか、その事実をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。

    ○鈴木(一)政府委員
     お答えを申し上げます。私の方の役所の出入国管理庁で、第三国人、特に韓国人の送還をいたしておりますのは、外国人登録令違反ということに限りまして、送還をいたしておるのでありまして、ただいまお話のような外国人登録令違反でなくて、なおかつ送還するというものにつきましては、目下私どもの役所では扱つておらないのでありますが、そのあとの方の問題について、政府におきましても、具体的のことにつきまして研究をいたしておる段階でありまして、まだ発表いたす段階になつておらないのであります。

    ○押谷委員
     法務総裁は閣議においでになるようでありますから、出入国管理庁長官に対する質問は後刻にまわしまして、まず法務総裁にお尋ねいたしたいと存じます。

     お尋ねをいたしますことは、昨朝起りました朝鮮人による米兵に対する暴行事件であります。昨二十一日の午前三時半ごろに、浅草の千束町の朝鮮マーケット附近におきまして、六名の米兵が多数の鮮人に取囲まれまして、集団的に暴力を加えられて、一名は死亡する、二名は負傷する、自動車も破壞されるというような不祥事を起したのでありますが、わが国の講和を前に控えて、今日日本の置かれたる国際的地位などから考え、この時期を思いまするときに、まことに遺憾しごくな事件だと考えます。こういう大事件が起つて、それを私どもが考えますときに、この事件はいろいろな意味において重要性を持つておると思います。

    まず事件の全貌などを伺いたいのでありますが、事件はまだ捜査段階にあり、特に警視庁の方面から総監においでを願うことになつておりましたが、まだ本日はおさしつかえでお見えになりませんから、これは明日でも警視総監にお尋ねをするごとにいたしまして、総裁におかれて今入手せられております情報等によりまして、次の点をお尋ねいたしたいと思います。


     まずこの朝鮮人の暴行事件におきまして、時間的に午前三時半という時刻において、
    百名からの朝鮮人が一ところにただちに集まつて来ておるというようなことから、あるいはその前日は台東会館事件のちようど一周年記念日に当つておるということから、現場付近には強制送還の反対であるとか、民主民族戰線などといつたビラ、ポスターが張られておつたというような事実を総合いたしまして、一つの計画的な犯罪ではないか、計画性の確度合いがきわめて高いものではないかという感じがいたすのでありますが、この事件について入手せられました情報によつて、この事件の計画についてまずお尋ねをいたしたいと存じます。

     それから
    昨年暮れから今春にかけまして、ずいぶん朝鮮人暴動事件が起つております。都内においても最近上十條の朝鮮人暴動事件、この事件などきわめて重要な相貌を現わしておるのでありますが、このようなときに対朝鮮人関係における治安の対策というものは、一般とむずかしいと思いますが、法務総裁におかれましてこれに対する治安の対策関係、これもお尋ねをいたしたいと思います。

     さらにもう一点、昨年の関西方面における朝鮮人騒動事件の直後でありましたが、たしか法務総裁の新意見でなかつたと思いますが、この騒乱事件に関係をし、計画をし、指導をした、いわゆる騒擾事件の首魁といつたような者に対しては、本国送還の立法的処置をするものである、政令によつて本国送還をするという新発表があつたごとく考えております。これについてその後どういう経過になつておりますか、重ねてこの点もお尋ねをいたしたいと思います。

    ○大橋国務大臣 昨日午前三時過ぎに、東京都浅草千束町におきまして、新聞紙に伝えられましたがごとき不祥事件を発生いたしましたことは、帝都の治安に重大なる不安を與える次第でございまして、政府といたしましては衷心から遺憾に存じておる次第でございます。特にこれがために、占領軍の方が不慮の災厄を負われるというような結果を生じましたことは、重ね重ね遺憾にたえない次第でございます。

     この事件の概要を、ただいま報告を受けております範囲において、簡單に申し上げますと、昨日午前二時ころ東京都台東区浅草千束町二ノ四でありますが、これは俗に旧十二階下と言われる地区であります。ここに米兵六名が参りまして、この地区内にありまする朝鮮人マーケット内の
    通称高本浩振こと高浩振方に参りまして、そのうち三名が宿泊をいたしたのでございます。それから間もなくなお三名の米兵が同地に参りまして、その高の宅の屋内に入りまして、いろいろ談話をいたしておりまする間に口論を生じまして、おののごときもので腹部に瀕死の重傷を負わされました。これはそのうちの一名でございます。

    それで他の米兵が、これを乘用車一万三千三百七十四号にかつぎ込んだのでありますが、この米兵を追跡いたしまして、
    約二十名の朝鮮人が石や棒切れをもつて迫りまして、車を包囲いたし、暴行を加えまして、車の窓ガラスを破壞するということになつたのであります。このときに、暴行の様子を見ておりました者が、田原町の派出所に急報をいたしましたので、関根巡査が現場に急行いたしましたところ、同巡査の携帶いたしておりましたところのピストルをもちまして、アメリカ兵が威嚇発砲をいたしまして、群衆を追い払つたのであります。所轄浅草署におきまして、ただちに予備隊の応援を得て現場を包囲いたしまして、約五十名のその場にありました者を同行して取調べをいたしておる次第でございます。

     今日までに入手をいたしておりまする情報から判断をいたしますると、この付近の朝鮮人が、非常に反米的な空気が当日あつたということは、これは十分に想像し得るところでございますが、事案は、ただいま申し上げましたる通り、どちらかというと偶発的なものでございまして、必ずしも計画的な犯罪でないのではないか、かように想像をいたしておる次第でございます。と申しまするのは、
    午前三時という時刻に、きわめて短時間の間に数十名という多数の鮮人が集合をいたしたということは、非常に奇異の感に打たれるのでございますが、この付近は大体終夜営業を続けておるというような地区でございまして、さようなことが、偶発的に起つたといたしましても、あり得ることではないか、この想像をいたしておるのであります。

    もとより現在なお取調べ中でございまして、確定的なお答えを申し得る段階に至つておらないのでございますが、ただいままでの情報を総合いたしまして、推定をいたしたところを申し上げたのでございまして、後に、なお内容につきまして、真相と異なるものを発見いたしましたる場合におきましては、あらためて御報告をいたしたいと存じます。


     それからもう一点、朝鮮人の暴力事犯その他の不法行為をいたしまする者に対しまして、これを本国に送還するような措置を講じたい。これは昨年以来政府といたしまして、神戸事件その他次いでの朝鮮人の集団的暴行事件を契機といたしまして、治安上の必要という見地から考えておるところでございまするが、これは今日なお研究いたしておる状態でございまして、まだこれを実施の段階に移すという程度にはなつておらないのでございまするが、引続き研究を進めつつあるということは事実でございます。


    ○押谷委員
     昨日のこの付近における町の中に、強制送還反対であるとか、民主民族戰線といつたビラ、ポスターが朝鮮人の住居しておりまする朝鮮人マーケット付近に張られておつたと聞いておるのでありまするが、そういう事実はわかりませんか。

    ○大橋国務大臣
     さような事実はあつたように承つております。

    ○押谷委員
     この付近に住居をいたしておりまする朝鮮人は、北鮮系の者かあるいはいわゆる韓国系の者か、その点はおわかりでございますか。

    ○大橋国務大臣
     朝鮮人として登録をいたしまして、韓国人としての登録のない人たちが多いようでございます。すなわちいわゆる北鮮系が多いというふうに見受けられております。

    ○押谷委員
     まだはつきりしたことはおわかりでないようでありますが、この朝鮮人の暴行事件は、いわゆる北鮮系の在日鮮人が、反米意図をもつてなされたものであるとお考えになつておりますか。その点をお伺いしたいと思います。

    ○大橋国務大臣
     この付近の朝鮮人の間に反米的な機運は多少あつたのではないかと想像いたしておりまするが、しかしこの反抗そのものが反米的意図のもとに計画されたものであるというふうには、ただいままだ断定いたすに至つておりません。どちらかというと偶発的、突発的な事故ではないかと、かように想像をいたす程度でございます。

    ○押谷委員
     この朝鮮人とアメリカ兵との間に起りました一つの衝突事件でありますが、こういう種類の事件は、多く民族的に非常に感情が高ぶりまして、あるいは伝播する、続発するというようなことも一応考えられるのではないかと思いますが、それに対して政府としてはいかなる対策をお持ちになつておるかお伺いいたします。

    ○大橋国務大臣
     アメリカ兵に対しまする暴行事件といたしましては、従来数件起つておるにすぎないのでありまして、ことに今回のごとき集団的な凶悪事件は初めてのことでございます。当局といたしましても、これは非常に重大な犯罪である、かように考えておるのであります。将来におきましてかような犯罪が重ねて生起いたすことのないように十分愼重に考えて参りたい、かように存じております。

    ○押谷委員
     ぜひこの種の事件に対して万間違いのないように対策をおとり願いたいと思うのでありますが、同時に昨年来問題になつております不逞鮮人の送還処置であります。これは善良なる朝鮮人、きわめてまじめな朝鮮人の名誉と信用を保持する立場からしても、この不逞な企てをいたします特に凶悪な犯罪をするような鮮人に対しては、本国送還の必要があると存じますが、これに対する本国送還の処置についての将来の見通しについて、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。

    ○大橋国務大臣
     この問題は、今年初めに計画を立てまして、ただいま関係筋と協議をいたしておるのであります。できる限りすみやかに実現をいたすようにいたしたい、かように存じておる次第であります。

    ○安部委員長
     押谷君にお諮りをいたしますが、先ほどもお話があつたように、法務総裁は閣議に列席せなければならぬのでありまして、ほかに発言の通告もありまするから、ほかの鈴木長官並びに高橋政府委員の方の御質問はあとまわしに願います。

    ○押谷委員
     それでは、私は総裁に対してはこの程度にしておきます。

    ○古島委員
     関連して……。今の押谷君の質問で大体わかりましたが、日本の治安を乱すという者は、朝鮮人の方に罪があるように誤解されるのであります。私の考えでは、少くとも午前二時ごろ表を出て歩く、あるいは朝鮮人の家にとまる、こういうことはアメリカ兵といえども軍の仕事ではなかろうと思うのであります。こういう時間外に浅草あたりをうろつくという人間でありますから、これに対しても相当のことを考えねばならぬのであります。ことに先般埼玉県に起つたことでありますが、朝鮮人の高徳祚という男がおるのであります。これは中華料理をやつておりますが、そこヘアメリカの兵隊二人が自動車でやつて参りまして、うちにはアメリカのタバコがあるはずである、そのタバコがあつたら出せといつて、押し込んで参つたのであります。ところがその高徳祚という男は、アメリカ・タバコはありませんという抗弁をしたところが、中に土足のままで入つて、そこら中をかきまわした。結局タバコはありました。

    ありましたので、まだあるだろうというので、たんすをぶちこわして中を見ますと、十三万五千円の金があつたので、その金を持つて行つてしまつた。つまりそれを通弁をいたしました男は、強盗で処分をされましたが、現実タバコを持つて行つた米兵と、十三万五千円の金を奪取した米兵は、そのままでおるような状況なのである。こういうところから見れば、いずれが治安を乱すかといえば、米兵がときならぬときに押してまわつて、日本人もしくは朝鮮人の家宅に侵入する、そうして物を強奪する、こういうことを法務府の方でも知つておるはずでありますが、これはアメリカ軍隊に向つて十分なる抗議を申し込まずにおくから、あとからあとからこういうことが出て来ると思うのであります。米兵の不法に対してはどういうふうな処置をとつておりますか、これを承りたい。


    ○大橋国務大臣
     米兵の不当なる行動に対しましては、アメリカの軍事裁判所において管轄権があるわけであります。そしてただいままでのところでは、それぞれ法によりまして、先方において処分をしておられるというふうに相なつておるのであります。今回の事件につきましても、原因等の詳細は、なお取調べ中で明らかでございませんが、想像いたしまするところでは、おそらくほとんど突発的なことではないか。かような暴行ざたが発生いたしますについて、言葉の行き違いその地米兵の側にも、ある程度の原因をなしたようなこともあるのではないかと存じますが、詳細は取調べました上で、それらの原因を十分つまびらかにいたしまして、将来連合軍関係に対しまして、要望すべき事項がありますれば、政府としてもこれを要望をいたしまして、相ともに将来の不詳事を未然に防止するような有効な措置をとりたい、かように存ずる次第であります。

    ○古島委員
     アメリカ兵に対する裁判権がいずれにあるかは、法務総裁に承らぬでも承知いたしております。アメリカ兵はたいへん秩序が正しいように聞いておる。また公私の別がはなはだ嚴然としておるということを聞いております。たとえば軍の仕事をやつておる以上は、上官と下官との間においては、その立場上非常に嚴重な敬礼をせねばならぬというようなことも聞いております。ところが一たびその軍務を去つて自分の自由を散歩する、自由に行動するというときには、上官に対しても敬礼さえもせずに自由に遊べるというように聞いております。しからばあのアメリカ兵は軍務に服しもしくは軍の仕事をしておるという間こそは、ほんとうに軍人という立場においてやつておるのであるが、一たびひまをもらつて遊びに出るときには、これは軍の仕事ではない、自分個人の仕事でありますから、個人の立場として、日本政府においても、その人の行動等は見、その行状等は少くともこれを日本政府から通告をいたしもしくは報告をする義務があるのではないかと思うのであります。

    今のような場合でありまして浅草に午前二時におつて、しかもマーケットの高の宅にとまつたと、こういうのでありますから、おそらくはこの時分に外泊ができるというのは、軍の仕事として外泊したのではない。自分らが遊びに行つたにすぎぬのだと思うのでありますから、私人の仕事であります。また埼玉県に起つた強盗事件のごときも、午後十一時三十分に押し込んだのでありますから、おそらくこれも軍の仕事の帰りがけにやつたとは思われぬのであります。まつたく遊びに行つたついでにやつたことと思うのでありますが、昨日のことは昨日のことといたして、埼玉県に起つた強盗事件のごときは、もう久しき以前であります。一箇月半も前であります。こういうことでありますから、おそらく、その通弁は強盗として処罰を受けるような立場になつておる今日においては、その報告があつたはずだと思うのであります。その報告に基いて政府はどのような処置をとつたか、アメリカの司令部なら司令部に対してどのような要求をいたしたかを承りたいのであります。もしまだ何らの報告がなく、また何らの通告をし、向うに要求しなかつたというのならば、あらためてそれをやらなければならぬと思うのでありますが、やりますかどうかを承りたい。


    ○大橋国務大臣
     ただいま御指摘の事件につきましては、私ただいままで報告を受けておりません。しかし非常に重大な問題であると考えまするので、取急ぎ調査をいたしたい、かように存じます。

    ○田嶋(好)委員
     私、実は押谷議員のときに出席いたしておりませんでしたので、重複するかもしれませんが、その点はあらかじめ御注意を願いたいと思います。

     今米兵の立場からの質問もございましたが、最近講和談判が非常に早くなつたという報道並びに見通しをもちまして、国民とともに喜んでおります。この矢先に、秩序が非常に破壞されておりました終戰後のあの時期においてすらなかつたような事件が、ここに勃発したというのでありますから、非常に関心を持たざるを得ない現状になつたのであります。

    そうした意味からお尋ねをいたすのでございますが、新聞によりますと、米兵とのみ書かれておりますが、米兵にもいろいろな種類があると思います。黒人兵もおれば白人兵のユダヤ系もおれば、その他フランスや日本系というようにおると思いますが、今度の事件を起しました米兵はアメリカ人にはかわりはございません。国籍はアメリカ人でございましようが、人種と申しますか、これはどういう人種でありますか。


    ○大橋国務大臣
     アメリカ人という報告を受けておりまして、それ以上こまかい報告をまだ受取つておりません。

    ○田嶋(好)委員
     浅草地帶と申しますと、東京でも相当風紀的に芳ばしくない地区だと私たちは想像いたしております。またここは生活面におきましても東京の中央と違いまして、特殊な生活面を持つた地帶だと考えております。この地帶に居住をいたしておりますところの朝鮮人の人数、そしてこの地帶の朝鮮人はどういうふうな生活をしておるのか、おわかりになりましたら……。

    ○大橋国務大臣
     この地帶の朝鮮人の全般の調査はただいま承知いたしておりませんが、大体あの付近は朝鮮人マーケット街でございまして、朝鮮人が集団的に居住をいたしております。そうして終夜営業を常態とするような営業が多い、こういうふうでございます。

    ○田嶋(好)委員
     最近都内にも朝鮮人を中心といたしましたいろいろな事件が起きております。学校の撤收にからんだ騒擾事件、こうした事件が起きておるのでありますが、先ほど総裁の押谷委員に対する質疑応答を聞いておりますと、偶発的と申されておりましたが、最近の東京のそうした騒擾事件と照し合せますと、多少そこに根拠があるのじやないかと私は想像するのでありますが、そうした計画性とかそうした行動の前兆というようなものは全然なかつたのでありますか。

    ○大橋国務大臣
     ただいままでに承知しておりまする事件の経緯から見ますると、特に具体的な、かような事件についてのあらかじめの計画というようなものはなかつたのではないか、むしろこれは事件の経過から見まして、突発的、偶発的なものと想像される次第でございます。但し最近におきまして、かような事件が急に起つたというところを考え合せますると、これらの朝鮮人の間に反米的な機運が若干あつたろうということは想像できると思います。

    ○田嶋(好)委員
     そこなのです。私は確かに反米的機運が一部の朝鮮人に釀成されつつあるし、またそれが露骨に現われようとしておる、この動きを日本共産党の動きと切り離して考えることがどうしてもできない、私はこういうように考えておる一人なのであります。実は最近共産党の非合法化問題が、広川農林大臣の口を通じて出たというので、世間的に騒々しくなつて参りました。

    これに対しまして外務委員会でありましたか、法務総裁が答弁されたことを新聞紙上で承つたので、その趣旨はよくわかりましたから重ねてお尋ねをいたしませんが、共産党の非合法化という言葉を契機にいたしまして、全国的に共産党の動きが活発になつて来た。そして私、一昨日も名古屋に参りますと、名古屋全市にわたりまして、警官に告ぐというようなビラを張りめぐらして、警察官に対してサボタージユを強要しておるのであります。

    名古屋市警は全力をあげてこれが捜査にあたつておるのでありますが、こうしたことは多分に東京にも感ぜられることと思います。先ほど押谷委員が言いました朝鮮人送還事件という問題も、当然にここに関連して考えられる問題でありまして、この関連した二つのものはどうしても今の国内秩序に対するわれわれの考え方からはつきり切り離して考えることができません。この点に対しまして十分な対策をお立てくださいまして、お進みが願いたいものだと思うのであります。


     最後に質問といたしまして、私はたつた一点だけお尋ねをいたします。不逞朝鮮人の送還という問題、これは相当国会でもやかましく言われた問題だと思つております。また新聞紙上でも相当やかましく唱えられて来た問題であるし、法務総裁の談話等にもそれに触れた談話がときどき出たのでございますが、先ほど法務総裁は早くというようなお言葉もありましたが、何ゆえに今日まで当然に問題になつたこの不逞朝鮮人の送還ということを実現されなかつたか、この点に対して法務総裁の御答弁を願いたい。


    ○大橋国務大臣
     これは手続上まだ関係方面と相談をいたしておりません。さような関係でまだ実現に至つておらない次第であります。

    ○安部委員長
     田嶋委員におはかりいたしますが、先ほども申し上げました通り、三時には重要な件に関しまして閣議があるのでございまして、明日もこの件に関しまして委員会が開会せられるのでありますから、御質問は明日まで保留をお願いします。また同様加藤委員に対しましても、御質問は明日まで保留をお願いいたします。

    ○押谷委員
     出入国管理庁長官にお尋ねをいたしたいのでありますが、朝鮮人の外人登録をいたしておらない者に対して本国送還の処置をおとりになつているようでありますが、本国送還するところまでどういうような形において、どういうような方法でなされるかということ、そして最近本国に送還をいたしました朝鮮人の数をお尋ねいたしたいと思います。

    ○鈴木(一)政府委員
     ただいまお尋ねがございました朝鮮人の送還につきまして、その手続を最初申し上げますると、たとえば半島方面の開港場にあらざるところからわが国に不法に入つて参りました場合に、これを現場で警察官かあるいは海上保安庁等におきましてつかまえるわけであります。

    そのつかまえました者につきまして一応の取調べをいたしまして、外国人登録令違反ということになりますれば、單なる違反である、密入国だけであるということになりますれば、大体は起訴をいたしませんで、われわれの方に検察庁側から引渡しをされるわけであります。そのほか密輸物資を持つておるとかいうことがございますれば、またそちらの方の刑罰と関係がございますので、一応裁判にかかるわけであります。

    従いまして出入国管理庁の方に参りますときには、いずれにいたしましても、検察庁側の一応の取調べがあつたものを引受けるわけであります。それを管理庁の方におきまして、長崎県の大村に收容所があります。そこまで護送をいたします。收容所に相当数たまりますと、司令部の関係方面を通じまして船を用意いたしまして、現在におきましては大村から船に載せまして、朝鮮の釜山に揚げます。

    これはわれわれの所管外でありますが、韓国側におきましてはあらかじめ関係方面から通達を受けまして向うの受入れ態勢ができておるわけであります。日本から送還いたしました者は韓国側の、ちようど日本の厚生省に当るような省が社会部と申しまして、あるわけであります。そこで受入れをいたすというかつこうになつておるわけであります。
    最近に、本年に入りましてから送還をいたしました例は、三月二日に四百八名送還をいたしました。

    ○押谷委員
     この朝鮮人本国送還という仕事において、出入国管理庁において扱われる仕事は、大村から船で積み出すというそこまでの仕事ですか、あるいは向うで引渡すというところまでおやりになるのですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     出入国管理庁の仕事といたしましては、船に積むまでであります。船に乘りましてからは海上保安庁の監督に移るわけであります。

    ○押谷委員
     不法入国者に対する送還の処置はわかりましたが、総裁にも聞いておりました不逞な企てをする鮮人に対する送還につきまして、出入国管理庁において何か調査研究あるいは計画などをやつていらつしやる点がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。

    ○鈴木(一)政府委員
     ただいまのお尋ねに関しては、政府といたしまして研究いたしておるという程度でございまして、特にこの際申し上げることはないわけでございます。

    ○上村委員
     関連して……。三月二日に送還された四百八名という、これは大体みな不法入国という認定のもとに送られたということになるのですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     先ほど御答弁申し上げましたときに、大多数のものが密入国でございますので、それを主として申し上げましたが、外国人登録令と申しますのは、外国人が日本内地におりまして、必ず登録をしなければならぬ、たとえば日本人が戸籍を持つておりますように、外国人にも登録をさせまして居所進退を明らかにする制度ができております。

    この外国人登録令違反をいたしました際は、やはり密入国でなくとも送還の対象になり得るのでありますが、それにつきましてはただ外国人登録証明書を持つておらなかつたということだけで、すぐつかまえて帰すということはないのでありまして一応外国人登録令違反の事件について、裁判の判決を受けまして、体刑を受けて、相当数刑務所に收容されたという者について、特に送還をするということになつておるのでありまして、違反があれば必ず送還ということではないのであります。先般の四百何名のうちどういうパーセンテージであつたかは今ここに資料がございませんけれども、従来の大体のパーセンテージから申しますれば、八割程度は密入国であります。


    ○上村委員
     この強制送還に対しましては、朝鮮の、少くとも朝鮮人連盟に属した諸君は女、子供に至るまで絶対反対をしておるわけであります。それでむろん自分の国へ帰すのだからいいじやないかというように、日本の政府当局では言つておる人があるようでありまするが、実際は送還されると向うべ行つて大体兵隊に持つて行くわけでありますが、はなはだしいのは何をされておるかわからない、すなわち送還即死刑というところまで、朝鮮の人たちは不安を持つておるのでありますが、そういう実情について、政府はお調べの上でこういう送還というようなことを法律的にやつておるのでしようか、その点を承りたい。

    ○鈴木(一)政府委員
     韓国側におきまして、どういう処置をいたすかということについては、ただいままでのところ、直接に向う側に行つて実情を見るというような国際関係になつておりませんので、詳しい事情はただいまわかりかねますが、ただいままでにわれわれに入つております情報によりますれば、韓国側といたしましても、やはりりつぱな受入れ態勢を整えて、そして日本から送還された者については、寄るべのない者については、家を與えるとか、あるいは疎開させるとか、釜山におります北鮮その他からの避難民に対する施設と同じような施設を、やはり考えておるようであります。

    ただいまの、外国人登録令違反でないところの朝鮮人に対する送還について、どう扱うかということにつきましては、特別に聞いておりませんけれども、やはり韓国といたしましても、りつぱな司法制度があるようでありますので、それぞれの方法によりまして、もちろん人道に反しない、人道を重んじた方法によつて処置することを確信いたしております。


    ○上村委員
     この四百八名のうちに、北鮮系が大多数でしようが、南鮮系、つまり韓国人民として登録しておる者があるのかどうか。それから四百八名の具体的な国籍、それから犯罪の種類、それからどういうことをやつておつたかというようなことのお調べがついておりましようか。おりましたらひとつお知らせを願いたいのですが……。

    ○鈴木(一)政府委員
     どこに住所があるのかというようなことは、一応調べてはございますが、ただいま手元には持つておりません。

    ○上村委員
     それをあとにでもお調べを願つて、われわれにはつきりさせていただきたいと思うのですが、その点お願いしておきます。これで終ります。

    ○加藤(充)委員
     朝鮮人強制送還について関連質問をいたしますが、われわれの経験では、占領軍の軍事裁判においても、最近は別ですが、しばらく前までは、判決の中に明らかに刑罰の執行後朝鮮に送還するという判決主文があつたのでありまするが、日本のやり方というものは、判決にそういうことはなくて、判決では日本の、刑務所に服役して、そしてそれから後にどういうふうな認定で、送還するような場合が起きているのか、起きていないのか、その点、承りたいと思います。

    ○鈴木(一)政府委員
     強制送還につきましては、これは行政処分でございますので、裁判所において送還すべしというような判決にはならないのが、日本の建前でございますが、行政処分の方の強制退去ということにつきましては、外国人登録令の第十六條にそれが書いてあるのであります。その十六條によりまして強制退去令書を発するという手続になつております。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、一応外国人登録令の十六條かの根拠に基いて送還をしておる。その送還は従つて行政手続である、こう言われたようでありますが、そうすると一応外国人登録令に違反するという形においては、前提は犯罪ということになりますか。

    ○鈴木(一)政府委員
     やはり外国人登録令違反ということになりますので、犯罪になるわけであります。

    ○加藤(充)委員
     そうすると今犯罪者のうちで送還をしているのは、外国人登録令十六條違反だけの者に限つておる、こう言われるわけですか。それともまた限つておるというのは、そういう前提に立つて送還が可能であり、また可能だからやつておるのであるか。犯罪者というものを前提にすれば、ただちに犯罪者全部が強制送還できるという建前には立つておられないのですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     外国人登録令違反ということだけでありまして、外国人登録令に関係ない者につきましては、強制送還というものは考えられないと思います。

    ○加藤(充)委員
     政府の発表なり、あるいは関係当局の発表では、犯罪者一般がすぐに送還されるのだ、するもしないも当局の自由であるというような調子のものが多かつたのであります。そうすれば生活も何もむちやくちやになるので、特にそういう発言や響きが、朝鮮人にきわめて重大なる関心を與えておると思うのでありますが、今の御答弁によると、犯罪者一般ではなしに、外国人登録令十六條違反だけを送還しておるし、またそれだけが送還できるのだという御返答だつたと思うのでありますが、そこでお尋ねするのですけれども、外国人登録令違反の中でも、必ずしも送還にならない者、あるいは体刑、あるいは罰金刑というようなもので、部分的におしまいになつている事例を、私ども日本の裁判所の処罰の前例の中に見るのですが、そういう御関係はどういうことですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     登録令違反になつた者は全部送還するというわけではないのでありまして、登録令違反の者に対して、その中から送還することができるという規定でありまして、お話の通りであります。

    ○加藤(充)委員
     それでは二つの点をお尋ねするのですが、そういうふうな行政認定でかつてにやるというようなことになつてしまうと、それに心服しかねる事情を持つ者、原因を持つ者が多々出て来ると思います。私ども仄聞いたしますのに、先ほどのお言葉の中にもあつたのですが、長崎県の大村における施設の中で、強制送還を受けるために收容された者と、外部からの面会者との間のいきさつがありまして、たいへん大きな騒ぎがぶち起つたというようなことを聞いておるのですが、そういうふうなことがあるかどうか。またそういうことがあるとすれば、原因は奈辺にあるか、はつきりした御答弁を願いたいと思います。

    ○鈴木(一)政府委員
     大村で收容を受けておりました者と、收容所の当局の者との間に、多少いざこざがありましたことは事実であります。原因はどこにあるかというお尋ねでございますが、これはいつもそうなんでありますが、收容者を送還いたします日取りがきまり、船がきまつて参りますと、やはり日本に残りたいという連中も多数出て参りまして、何とかして残りたいという気持から、非常におちつきを失つて来る状態が起るわけであります。そういうときにたまたま、面会時間と申しまして、朝鮮に送還される人と、わかれのあいさつに行つておる連中との面会が許されるのでありますが、その面会時間というようなものを超過したというところから、いろいろいざこざが起きまして、今お話のような――そう大した騒ぎとは思いませんが、騒ぎがあつたというわけでございます。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、強制送還をします際に、家人との面会あるいは家人に通知あるい
    は着かえをする余裕なども與えずに、強制送還をされておるような事例を私どもは事実見ておるのですが、そういうふうなことは、どういう根拠でなされるのですか。


    ○鈴木(一)政府委員
     送還に際しまして、面会を拒否するような事例は、ただいままで聞いておらないし、また衣服その他必要がありますれば、着がえさせるということについて、われわれとしましては、万般の便宜を與えておるつもりでありますが、もし御指摘のような事例がございますれば、後刻特別に承りたいと思います。

    ○加藤(充)委員
     今度は避難民との関係ですが、避難民は、外国人登録令などの適用の問題と、また別個の性格を持つものだと思うのですが、避難民と外国人登録令の問題、それと送還の問題はどういう関係を現在持つておりますか。

    ○鈴木(一)政府委員
     ただいま避難民と言われましたのは、朝鮮動乱が起きまして、朝鮮におられないで、日本に避難をして来るという一連のことであろうと思いますが、現在におきましては、特に避難民であるから、特別の考慮を払わなければならぬという段階には至つていないのでありまして、その扱いに関しましては、外国人登録令一本で参つておりますので、特別に便宜を與えるということにつきましては、現在のところ、特に申し上げる点はないのであります。

    ○加藤(充)委員
     避難のことと同時に、人間としての住居の自由といいますか、これは世界人権宣言の中に明らかに規定されているところなのであります。避難民でありますから、もちろん登録令に基く手続などはいたしておりませんけれども、大きく日本あるいは日本が国際生活、世界生活の関係の中に入つて行きまするために、こういうようなものをただ外国人登録令十六條違反という形で一括に取扱つているということは、政策的にも、また世界人権宣言というようなものの中に規定されている関係から見ても、これは法律の拘束はなくても、多少法的なものとして、重要な影響なり、立場を日本人は持ちまするし、その立場に立つものだと私どもは思いますが、先ほどの大村の收容所で問題を起した連中、あるいは三月二日に送還された四百八名の中には、いわゆる外国人登録令というような関係じやなしに、実質的に避難民であるという実体を備えた者が多数あつたのではなかつたのですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     この四百何名かの中には、避難民と呼ばるべき、特別にそういう旗じるしで入つて来た者は、それほど多くなかつたと存じます。ただつけ加えて申し上げますが、現在におきましては、わが国に独自で考えるべき権限がございませんので、現在の出入国の関係におきましては、一切の人は日本に出入りしてはならぬという司令部の命令によつてやつておるのであります。その間に、避難民であるかどうかというような、日本の歴史というか、長い目で見た、大きな方策から割り出された施策ということを、ここに織り込む余地がないことを遺憾に思いますが、韓国におきましても、避難民といえども国外には出さない、今韓国はあげて戰わなければいけないという意味で、この際避難民として日本に逃げておるような者は、むしろ韓国を裏切る者であるというようなところまで、韓国側としてはやつておるのでありまして、それやこれやを考えますれば、避難民はいつでも来いという態勢をわが国でとることは、現在適当ではないのではないかと思います。

    ○加藤(充)委員
     韓国の憲法はどうなつておるかわかりませんが、北鮮系だ、韓国系だというような、ややイデロギー的なもの、思想的なものを持たずして、ただ戰争はかなわぬ、被害が多くて生活の基礎を失つてしまつたというような者が、日本へ万難を排して逃げ込んで来たというような者までが、やはり今おつしやられたように、戰争をしなければだめなんだということで、また元の戰場べ送り返されているのが、いわゆる強制返還の態なんです。

    ○鈴木(一)政府委員
     ただいままでに、特に避難民として入りました者は、それほど多い数ではないのであります。なおこれはわれわれの方で得た情報でありますが、韓国の避難民というものにつきましては、国際連合の方で積極的な援助をいたしておりまして、朝鮮において相当の物資を與えますとか、日本で引受けないでも、韓国に相当の援助をするということで、国連側としては大いに張り切つて現在やつておられるようなことであります。

    ○加藤(充)委員
     そうすると、先ほど言つた行政認定というようなこと、これとこれとは登録令違反だけれども送還しない、あるいはこれとこれとは送還するとうような事柄についても認定とあなたは言われたけれども、認定のいわゆる自主性というものがないのではないか、それで最後のお言葉のように、どうしても自主性がなくて、そういう一般的な、朝鮮の戰争の状態だからぜひともみな帰さなければならぬというような意味で、そうしてまた帰す時期あるいは帰すのについての責任というようなものについても、日本では、あなたのところではいわゆる自主的というものがないのですか。

    ○鈴木(一)政府委員
     強制送還、強制退去の命令を出しますのは、先ほども申し上げたように、外国人登録令第十六條でございますが、これにはこういうふうに書いておるのでありまして、第三條の規定に違反して本邦に入つた者、これはいわゆる密入国でありまして、だまつて入つて来た者であります。それから「第十三條に掲げる罪を犯し禁こ以上の刑に処せられた者」これが先ほど申しました外国人登録令違反、いろいろな手続を怠つたというような状況でありますが、これに違反して禁錮以上の刑に処せられた、そういう者に対して退去強制をすることができるという段階になつておるのであります。この範囲内においての自主性は持つているのであります

    ○安部委員長
     加藤君にお諮りいたしますが、明日も本件に関しましては質問を続行するのでありまして、大橋法務総裁も出席されるのでありますからして、保留していただけませんか。

    ○加藤(充)委員
     いま一点だけ、時間をとりませんからお願いします。いろいろ御答弁になつて今の段階でも明らかになつたのですが、そうすると先ほどから問題になつている朝鮮人の強制送還の手続を研究中だと言われておりますが、その研究の目的というようなものが、結局朝鮮人は一人残らず朝鮮における、あの地域における戰争の中にはめ込むために、あるいはまた朝鮮における戰争を遂行のために有害だとある立場で判断したものは、なるべくそれをオミツトをして行く、これは抹殺してしまう、除外して行くというようなために、やはり朝鮮戰争遂行のために、外国人送還の手続がいろいろ研究されている。それ以外にどうも今までの質疑応答の中に目的というものがはつきりしなくなつたのですが、そういうことにお聞きしていいのでしようか。

    ○鈴木(一)政府委員
     強制送還の問題はもつぱら日韓の融和と申しますか、国際関係を親善にして行きたいというところから考えられておるものだと思います。

    ○加藤(充)委員
     それでは避難民としての取扱いなどについては、先ほど言つたように自主性がないからしかたがないということではなしに、もつとおおらかに世界人権宣言の線に沿うて取扱いすべきだ。そこを避難民をどんどん騒動を起しても大村にやつて送り返すというようなことでは、御答弁の趣旨が徹底しないと思うのですが、そういう点についてはきようはもう質問はやめますが、ぜひそういうはからいをやるべきだという意見だけを述べておきます。

    ○安部委員長
     この際本件に関する参考人招致に関する件についてお諮りいたします。先刻押谷委員からも御要求があつたのでありますが、本件調査の必要から、その捜査その他に関しまして警視総監田中榮一君及び警視庁刑事部長古屋亨君を参考人として明日午後一時本委員会に出席を求めたいと思うのであります。そうしてその実情を聽取いたしたいのでありますが、このようにとりはからうことに御異議ありませんか。

        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


    ○安部委員長
     御異議がなければ、さよう決定いたします。

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