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1993年6月に行われた解散総選挙。この選挙で自民党は敗れ、細川護熙を首相とする非自民連立政権が誕生した。
この選挙において、テレビ朝日が非自民に対しては好意的に、自民党にはネガティブな報道をしたのではと世間を賑わせた事件があった。それは「椿事件」と呼ばれている。

テレビ朝日報道局長のオフレコ発言

細川内閣が成立した1993年10月、産経新聞にある記事が掲載された。その記事は「テレビ朝日報道局長椿貞良氏が『小沢一郎氏のけじめをことさら追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、反自民の連立政権を成立させる手助けとなる報道をしよう』という趣旨の発言をしたという内容。これは非自民連立政権が発足させるように、印象操作を行ったとも取れる発言だ。

テレビ朝日は放送法違反?

マスコミ報道は中立性を保たないといけないという放送法に触れるかのような発言であり、このテレビ朝日椿氏の発言は大きな波紋を呼んだ。

放送電波を管轄している当時の郵政省は緊急で記者会見を行い、「事実ならば放送電波利用停止も有りえる」と示唆し、野党となった自民党もこの発言に関する事実確認を行うように強く求め、椿氏を証人喚問するように要求した。

当の椿氏は衆議院で証人喚問を受け、「誤解を与える発言をした」と陳謝をしたが、「偏向報道は行っていない」と否定。テレビ朝日も内部調査を行った結果、偏向報道を促すような具体的な指示がなかったした。

この対応を受けて郵政省は、テレビ朝日に対する免許取消し等の措置は見送り、厳重注意にとどめた。

自民党とテレビ朝日の対立

とはいえ椿事件の収束後も、自民党とテレビ朝日の関係は修復したとは言い難い関係が続く。
自民党はこの事件を受けて、放送規制の強化を強める声が上がり、放送倫理・番組向上機構(BPO)を設立する流れに繋がった。

また近年も、テレビ朝日の看板番組である『ニュースステーション』において自民党との間でトラブルが何件か発生している。

椿事件 インターネット上の誤解

椿事件に対して、インターネット上では「マスコミ全てが非自民連立政権が誕生させるように印象操作を行って、偏向報道をした」という意見もあるが、あくまでも椿事件はテレビ朝日報道局長だった人物の発言が問題になったにすぎない。

とはいえ、この椿事件は難しい問題であるマスコミにおける「報道の公平性」を改めて浮き彫りにしたのだった。